11日目 ひまな大富豪のきもち

こんばんは!TOT WORKSです!

初フェリーのりましたー!

寝坊に怯えながら眠りについたわけですが、目を覚まして、おそるおそる時計を見ると、、、よっしゃー!まだ6時!

搭乗手続きは7時までに行けばOK!

あんしんあんしん!

、、、、、っは!

安心により安定の二度寝。

僕の目に入ったのは、6:45の時計。

寝間着のまま運転席に飛び乗る寝起きの小太り!

安全運転を心がけつつそれどころじゃなくなりつつ、なんとかギリギリ到着!

搭乗手続きも、寝間着のまま、寝癖を立て、寝ぼけながら完了!

ふぃー。

ーー

そしてどデカイ船、通称巨大海賊船TOT号に到着。

シルバークイーンと書いて、TOT号と読む。

このときSNSに乗せた動画、すごい顔してたけど、当然ですよね。

起きてから1時間経ってないんだもん。笑

船の横の穴から、僕ら乗用車だけでなく、トラックもたくさん入っていきました。

重たいものたくさん積んで海を走るなんて、船は魔法かなんかで浮いてるのかな、と思うくらい。

造船関係の方々、素晴らしい仕事してらっしゃる。

ーー

出発!

僕はすぐさま甲板に行きたかった。

だってどう考えたって、船って言ったら甲板が一番楽しいに決まってる。

なんならもうそこが感動のピークな気もしてる。

しかしまだ待て。

たぶんみんなそんな感じだから、今は人でごった返していて、お祭りみたいになっているはずだ。

そんなところで自撮り棒で撮影してみろ。

恥ずかしいし、ご迷惑極まりないだろう(恥ずかしい9割)

ーー

20分くらいして、我慢しきれず甲板へ!

まだいるかもだけど、はじっこで!はじっこで!

いや誰もいねーー!!

そんでなにもねーー!!

しかも後ろしかいけねーー!!

でも恐竜の尻尾みたいでかっけーー!!

この船でワクワクしてるのは僕だけなんじゃないかと思いました。

あとでわかったけど、なんなら10人もお客さんいなかったです。

僕は雑魚寝部屋だったんですけど、貸切でしたからね。

船の中、映画の密入国者みたいに、ギチギチだと思ってましたよ。

ーー

船の尻尾をしばらく楽しんで、中の散策を始めました。

初めてのフェリー、ドキドキする。

パチンコ?の機械を発見!

よく旅館とかにある雰囲気の部屋!

フェリーにもこんな部屋があるのかー。

お風呂!

物々しい雰囲気のドアだけど、中は小さな温泉みたいな感じでした。

大きな海を見ながら、小さな湯船に浸かるとはこれいかに。

自然は偉大だなぁ。

ーー

そんなこんなで、歩くとこあんまりないことに気づきつつ、お腹の減りに気づきつつ、こんな朝ごはん。

売店で買ったカップヌードル&lampさんに頂いた米崎りんごを、食事できるとこでムシャリ。

海の中にはたくさんのシーフードが泳いでいて、僕はその上で美味しくなったシーフードを頂く。

いつもよりシーフードヌードルがシーフードな気がして、海で立ち泳ぎしながら食べたら、もっとシーフードなのかな、とか考えてた。

デザートのりんごがまた美味しくって、船でりんご食べてるなんて、いますっごい旅人っぽいんじゃない?とか思いました。

スタッフさんと目が合ったから、ちょっと物憂げな顔して海へ目を配り、りんごをひとかじりして、訳ありごっこしたもんね。

ーー

しばらくすると、ちょっと飽きてきちゃいました。

景色はずっと海原。

歩くとこはそんなにない。

売店は閉まってる時間。

ケータイの電波はない。

フリーWi-Fiが使えるのは10時間のうち2回。

寝ましたね。

あー、だからゲームコーナーがあるんだー

なんて思いながら寝ましたね。

ーー

目覚めると13時。

お腹すいて食堂でこんなの食べました。

レンチン弁当?

今はこんなのも自販機で売っていて、食品関係者さんの企業努力はすごいなぁ。

食事を終えると気になっていたお風呂へ。

お客さんは僕しかおらず、これまた貸切でした。

美しいけど撮っちゃいけないものと、美しくないから撮っちゃいけないものの都合で写真は割愛しますけど、おもしろかったです!

海見ながらのお風呂なんて初めてだし、ずっと揺れてるし、王様の気持ちでした。

大富豪は毎日こんな暮らししてるんだろうなー。

ーー

あとは暇すぎてこんな写真撮ったり

こんな写真撮ったり

してました。

海原の見えるデスクとか仕事できる大富豪みたいだし、二色の景色はおそうめんみたいだし、これはこれで楽しかったです!笑

あとはパソコンで映像編集したり、Wi-Fi繋ぎ甲板脇の通路でYouTubeの森の映像見たり(海と森が同時に見れる!笑)、飽きたら昼寝したりしてました。

ーー

そうこうしてる間に室蘭ついたよ的なアナウンスが!

海から見える夜景とかすごい綺麗だったけど、遊びすぎてケータイ電池切れで撮れませんでした!

代わりに北海道が見え始めたときの写真を!

そんなこんなで、なんとかかんとか北海道つきましたー!

実感わかないー!真っ暗すぎるー!

だからこんな写真撮ったんです。

無事、ここは室蘭のようですね!

港から2時間走って、今はウトナイ湖道の駅!

台風もひどくなるだろうし、今夜はそろそろ寝ます!

明日はあんまり動けないだろうから、せめて安全に過ごします!

とにかく、ここは北海道!

TOT WORKS上陸です!

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あなたにここにいてほしいひと

TOT WORKS

10日目 潮風の吹く町で

こんばんは!TOT WORKSです!

今日は岩手県ですごす最期の日だったので、皆さんにごあいさつさせて頂きました!

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朝イチ、僕の泊まっていた道の駅まで来てくださった清水さんと、ひろみさん。

まっとさんからご紹介頂いて繋がれたお二人。

震災についての大切なお話。

これから始まるワクワクするお話。

いっしょに食べた美味しいごはん。

勉強させて頂いたこと。

イベントに誘って頂いたこと。

過ごした時間は短いのに、全部濃い想い出です。

最後に頂いたひとこと。

『コーヒー、被災地で淹れたら?』

こんな簡単なことすら思いつかない自分にも驚きましたけど、たぶん当たり前に思いついてのご提案なんだと思います。

それくらい、温かくて深い方々でした。

足向けて寝れないなぁ。

清水さん、ひろみさん、本当にありがとうございました。

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ステキなご提案頂いたので、次は清水さんにご紹介頂いた、米沢商会の米沢さんへごあいさつ。

前にコーヒー屋さん用にと、コーヒーカップ買わせて頂いたとき、ふとした会話から広がり、聞かせて頂いた震災のお話。

語り部さんのお話聞きたかった僕としては、お店としてのご紹介だけだったので驚きました。

この方の震災のお話は、直接ご本人から聴いて頂きたい。

『私が生き残ったのにはきっと意味がある。

両親が救ってくれたんだと思うんです。

だから、話を聞いてくれてありがとう』

お話伺ったとき、言葉が出ないほど胸がつまったけど、お会いできて本当によかった。

だから今度来た時は、米沢さんが語り部活動で連れていくという、被災した米沢ビルへ連れて行ってもらう約束をしました。

この写真にあるビルの煙突の上に登って助かったそうです。

20センチ下まで津波が来たんです。

今度ここに来た時、登らせてもらうんです。

本当にありがとうございました。

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お次は間違えて入って知り合った、ほんまるの家の種坂さん。

アバッセたかた前で、今日はまちびらきのお祭りをしてました。

その中を忙しそうに歩いて、色んな方とお話されてましたね。

みんなが楽しそうで、僕も本当に嬉しかった。

写真に写っている場所以外にも出店は広がって、あいにくのお天気なのに、大賑わいでした。本当によかった。

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その種坂さんにご紹介頂いた和雑貨と地酒のいわ井、店主の磐井さん。

まちづくりへの穏やかな情熱。

若者を尊重する姿勢。

お話聞いていると、不思議と僕もいっしょにまちづくりしたくなるんです。

そんな魅力や深みがあるから、あんな良いシワがお顔に刻まれるんだろうな。

約束した日本中の良い話、きっと持って来ますね。

本当にありがとうございました。

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そして改めて、慰霊碑に参拝を。

多くの方が亡くなり、多くの方が失くし、深い深い悲しみを経験した町。

それは想像しても全く届かないところにあって、これからも変わらない。

だからこそ手を合わせて、ご冥福だけじゃなく約束をしてきました。

今の僕一人じゃどうにもならない。

それでも必ず守るから、約束しました。

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お次はまっとさん。

すべてはこの方から始まった。

まっとさんが僕のこと受け入れてくれなかったら、陸前高田での出来事がひとつもなかったんだ。

そう思うと、本当にいくらお礼を言っても足りないなぁ。

まっすぐで純粋で底抜けに優しい。

だから深みのある良く通る歌声なんだろうな。

人としてもアーティストとしても、掛け値なく好きだ。

本当にありがとうございました。

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最後にlampさん。

農業とその情熱で、たくさんのことを教えて頂きました。

米崎町でつくる、米崎りんご。

味見で食べたものが、僕にはすっごく美味しかったのに、チームの皆さんは、

『まだまだだなー』

『これいいかんじじゃない?』

と昼食中も、ずっと意見を交わしていました。

地域と、農業と、本気で真剣に向き合いながら、それを楽しんでいる人たち。

その人たちのつくるりんごが、美味しくないわけがない。

ほんと、ひとりでも多くの人に、この人たちのりんごを食べてもらいたいです。

本当にありがとうございました。

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僕は幸せもの。

初めて訪れた知らない場所が、

一週間で大切な場所になった。

それは大切な人たちが住んでいる町だから。

皆さんと過ごした時間をいくらでも思い出せる。

そしてまた会える日を楽しみにできる。

僕は幸せもの。

だからひとりでも多くの人と分け合いたい。

みんなで笑ってた方が楽しいからね。

他にも関わって下さった多くの皆さん、

ごあいさつ回りきれずにすみません。

本当にありがとうございました。

きっとまた会いましょうね。

潮風の吹く町で。

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あなたにここにいてほしいひと

TOT WORKS

9日目 僕のやりたいこと

こんばんは!TOT WORKSです!

今日は予期せぬおやすみになってしまって、のんびりすごしましたー

ーー

旅立つ前のチームTOT

稲森『CDの重版できたから28日着で送るー』

上野『旅出てるから住所ないよー』

石原『営業所で預かってもらいなー』

上野『でも盛岡市…遠いんじゃない?』

石原『岩手の人からすれば普通じゃない?』

みんな『それもそうだ!それでいこう!』

ーー

いや遠いーー!!

片道3時間かかったーー!!

こないだlampの吉田さんに言ったときも、ドン引きの顔してたもんなーー!!

ーー

朝も早く起きれず(毎日)、仕方ないので、一日がかりでとってきましたとさ。

これでしばらく在庫切れの心配もなかろう。

ーー

陸前高田についたときにはもう夕方。

なんもしてないことにやや肩を落としつつ、仕方がないのでオススメ頂いていた温泉へ。

『黒崎仙境温泉』というところ。

なんでも海が一望できるとか!

ちなみに道の駅一本松茶屋から車で20分走ったところにあります!

日が落ちていく中、絶景の温泉と聞いてワクワクしながら車を走らせました。

デデン!

閉館1時間前ということもあり、静かでよい。

さてさて、絶景でも拝みますか、くくく。

ーー

いや暗いーー!!

絶景どころかなんも見えねーー!!

そりゃ海の絶景だもん、夜見えるはずがないわなーー!!

ーー

お客さんは僕1人だったので、大人しく湯に浸かり、見えない波の音を聞いていました。

そして、これまでのことを考える。

旅立ってから9日目。

岩手に来てから7日目。

まだ10日も経ってないなんて信じられないくらい、濃密な時間を過ごしました。

ーー

毎日知らない道を走り、

毎日知らない場所に行き、

毎日知らない人に出会い、

毎日はじめてにふれる。

そんな日々は怖いどころか温かく、全部が宝物で愛おしい。

出会った人たち、みんな愛おしい。

みんなみんな、どうか楽しく暮らしてほしい。

避けられない悲しみもあるけれど、

どうか楽しく暮らしてほしい。

そんなことを、本気で想える。

恥ずかしいくらい本当にそう思う。

ーー

そして今日確かに感じたのは、寂しさ。

愛してくれる人たちの元から離れて、

出会った人たちに良くしてもらい、

旅に出てはじめて、今日はほとんど誰とも喋らなかった。

わかってはいたけど、僕は寂しがり屋なんだな、と再確認した。

だからこそ、明日からまた誰かに会いにいこうと思う。

まだ見ぬ誰かに、会いにいこうとおもう。

人と繋がって生きていくことを、この土地で改めて教えてもらえたから。

ーー

寂しくっても不安じゃないのは、たぶん便利な世の中だからじゃないと思う。

日本という国そのものが、僕の家なんだと思う。

右とか左とかはよくわからないけど、僕はこの国が好きだ。

それを愛国心というなら、僕は家族を愛してる。

まだ会ったことのない家族ばっかりだし、ケンカもするだろうけど、みんなで楽しく暮らしたい。

もしよければ、もっと大きな輪っかも家族だって呼びたい。

せっかく同じ時代に生まれたのなら、迎えが来るまで、みんなで遊んでいたいよな。

だから僕は、やっぱりみんなに”ここ”にいてほしい。

それがわがままでも、そうして生きていく。

みんなで楽しく暮らせるような場所にする。

それが僕のやりたいこと。

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明後日の早朝に北海道へのフェリーに乗ります!

だから明日はありがとうって言って回る日!

明日もいい日になるといいな!

岩手の月はすごく明るいよ。

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あなたにここにいてほしいひと

TOT WORKS

8日目 伝えたいことがあふれた手紙

こんばんは!TOT WORKSです!

今日は色んな場所に訪問して、色んな方とお話して、充実感がありすぎる日でした!

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昨日は寝るのが遅かったため、午後イチが朝食。

迷いながらも、僕の血をなめたら辛いんじゃないかってくらいの辛いもの大好き人間としては再訪せざる終えなかった、、、

そう!岩手2日目にいった四海楼!

本日はラージャー広東麺を。

くぅー!美味い!辛い!美味い!

これまたあんかけがすごくて、麺と絡む絡む!

ここは旨味と辛味の舞踏会か!ってね!

四海楼さんは陳建一が訪れたことのあるほど、味に定評のあるお店!

復興事業で建てられた仮説商店街にあります!

一本松茶屋から車で4分なので、岩手に来たときにはぜひ!

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お腹を満たしたところで、アバッセたかたへ向かいました。

先日ライブをしたショッピングモール。

その横のこちらの建物が気になりました。

まっとさんから、津波伝承館と聞いた気がするんですけど、よく見ると違いそうな、、、

早速中に入ってみました。

対応してくださったのは種坂さん。

ここがなんなのかもわからず飛び込んだ僕にも優しく接して下さいました。

ここは『ほんまるの家』

地域の交流センターです。

今日も2組ほど利用者がいまして、まちづくりの話し合いや、ミーティングスペースとして使えるそう。

種坂さんご本人は陸前高田にゆかりがないにも関わらず、震災当時に訪れて、移住されてそうです。

昨日のlampさんにもそういう方がいらしたんですけど、残っている方は、支援したい!という情熱ではなく、ここが好きだから、気になるから、という想いの方が多いそうです。

僕も陸前高田は大好きですが、立ち寄っただけの身としては考えさせられるものがありました。

ーー

この辺りは土地のかさ上げをした場所です。

元の町があった場所は15メートル下の地中。

地盤ができたものの、元いた方々の多くは山の上などに引っ越されたそうで、完成しても7割近くは空き地なんだとか。

それを有効利用しようにも、人口の少なさを考えると大型施設は難しい。

ゼロからつくる地方のまちづくりの壁を感じました。

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その種坂にご紹介頂いて、今度は通り沿いの和雑貨と地酒のお店『いわ井』さんへ。

店主の磐井さんはまちづくりの中心人物ということでご挨拶を。

飛び込んできた僕にも、大切なお話をたくさんしてくださいました。

ーー

助けにきた仲間も瓦礫の山を見て絶句してしまっていたこと。

元あった商店街の3人に2人は亡くなってしまったこと。

それでも地域のみんなが協力しあったこと。

お酒と車と女性の話ばかりしていた、茶髪にピアスの若者が町のこれからについて話し合っていたのが嬉しかったこと。

若い人たちが声を上げて、地域のお祭りを同年も開催できたこと。

おにぎりと支援物資のレトルトカレーを、お祭りでみんなと食べたこと。

そして町のこれからをどうしたいのか。

他にもたくさんのお話。

言葉では言い表せないほどの、たくさんの悲しいことがあったのに、それでも笑いながら話す磐井さんには、人と人が繋がって生きていくことの大切さ、強さを感じました。

そして、7年後の今だからこそ、お話の中に僕のこれからが少しだけお力になれるかもしれない、なんて可能性を感じたんです。

それはまだまだ、これからのお話。

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夕飯は昨日お世話になったlampの吉田さんにお蕎麦をごちそうになりました!

食堂かもんさんにて!

元々はお寿司屋さんだったそうですが、震災後に自家製麺機を導入し、お蕎麦とうどんのお店になったそうです!

お蕎麦と天ぷらが絶品でした!

吉田さんのカツ丼も美味しそうで、ラーメンじゃないけど、早く再訪したいです!

ーー

吉田さんからはlampさんのお話を。

元々は震災時に発足された復興支援団体『SAVE TAKATA』という団体から始まったそうです。

この団体は法人化して今もあるのですが、支援が落ち着いてからは、農業部門が独立。

リンゴ加工ではなく、そのものを育てて販売する人たちが『lamp』さんになったそうです。

関東や関西などへの物産店への出店だけでなく、親子のリンゴ農業体験ツアーなども企画されていて、積極的に外部に働きかけをしています。

吉田さんはリンゴの話をしているとき、とてもワクワクした顔で話すんです。

その理由はすぐにわかりました。

震災時、支援物資の中にあったリンゴと比べても、こんなに美味しいリンゴが地元にあったのかと感動したそうです。

きっとその感動したものの可能性が輝いているからでしょう。

リンゴを通じてのこれからのお話も聞かせて頂きました。

『それでも』『これから』

そういう言葉が似合う人は本当にきらきらしています。

僕はより一層、熱い人柄の吉田さんが大好きになりました。

僕がいまできること。

それは大切なものをしっかり受け止め、自分を貫くことだと思っています。

だからこれからも歌います。

だからこれからを歌います。

今日は特に長くなってしまいましたが、それでも伝えたいことがあふれて仕方ありません。

それはこれからの中で。

今日もありがとうございました。

ーー

リンク集

○ほんまるの家

https://www.honmaru.org

○いわ井

https://www.rikuzentakata-iwai.com

○lamp

https://www.lamp-yr.org

https://m.facebook.com/yonesakiringo/?locale2=ja_JP

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あなたにここにいてほしいひと

TOT WORKS

7日目 甘酸っぱい灯台のあかり

こんばんは!TOT WORKSです!

今日は特定非営利活動法人 lampさんでのリンゴ農園でのお手伝いでした!

貴重な体験本当にありがとうございました!

朝イチで昨晩訪れた仮説商店街へ!

寝坊が心配すぎたけど、昨晩の爆睡により完全回復の朝でした!

さっそくlampの代表松本さんとご挨拶。

なんとゴスペルのバックでピアニストをされていた方で、そんなこんなで盛り上がりつつ農園へ!

陸前高田市内の米崎町にあるその農園は、海が見える高台にあって、空が広くて、本当に楽園のような景色でした。

寒いと思われている岩手県ですが、実は沿岸部は気候的にリンゴ栽培に向いているとのこと。

そして、米崎町で育ったリンゴを米崎リンゴと呼びます。

現在は親子で楽しめる体験ツアーなども企画されていて、リンゴの栽培、収穫だけにとらわれず活動されています。

ーーーーー

僕はなにをやらせてもらったのかというと、収穫直前のリンゴに色をつけるため、葉っぱをとったり、実を回転させる作業!

え?どういうこと?ってなりますよね。

実はリンゴの赤みは日に照らされることによって染まるものなんです。

だからまだ色味の薄い部分に日を当てるために、こういった作業を人がアナログに行うのです。

ーー

市場で売れるのは色の鮮明なリンゴ!

僕だって、中身がわからないものは見た目で選びますし、鮮明な色のリンゴは美味しそうなので、気持ちはわかります。

それにしてもそのために、こんなにアナログなことをしているなんて想像もしませんでした。

僕が普段何気なく買っていた赤い果物は、農家さんのこういったご苦労によって、当たり前になっていたのです!

ひとつひとつ、収穫前の重くなった実を落とさないように日に当てる。

いやーハラハラしましたよ、不器用なもんで!笑

でも不思議です。

僕は今日しかリンゴたちに関わってないのに、どんどん可愛く見えてくるんです。

いやいや、デザインの問題じゃなくて、なんかこう手間のかかる子はかわいいみたいな?笑

だって、リンゴはこんな細い若木から、何十年もかけて大きく太くなるんです。

それだけで立派なもんじゃないですか。

とにかく、1日だけ参加した僕は苦労を感じる以前に、楽しく作業させて頂きました!

ーー

農業は食、食は命。

生きることに直結していることを、ここ陸前高田でやる。

それだけでとても意味のあることだとおもいます。

人が生き抜こうとする力を感じました。

そしてその大切さ、繊細さに人生を重ねました。

ーー

理事(NPOでは職員の方をこう呼びます)の皆さんも、個性豊かで優しい方ばかりで、1日しか一緒にいられなかったのに、なんかバカみたいに好きになっちゃって、夕方頃には『え、もうお別れ?うそでしょ?』って気持ちになってましたー

おバカだー笑

それくらい、皆さん素晴らしい方々でした。

もっともっと、色んなお話したかったです。

でも、それはこれからの楽しみにするとしましょう!

最後にはリンゴ農園でライブをさせて頂きました!

いやー、最高の気分だったなぁ。

まさか自分があんな素敵なロケーションで、聴いてくれる人へ音楽を鳴らす日がくるなんて。

歌わせてもらって幸せでした。

本当にありがとうございます。

ーー

《米崎リンゴ農園ライブ 曲目》

1.空席のあるじへ

2.楽園

3.泣きっつらに冠を

ーーーーー

lampさん、最高の一日を本当にありがとうございました!

また必ずお邪魔しにいきます!笑

ーー

非日常から離れたように見える、けれども日常の暮らしからたくさんのことを考えられる、親子が楽しめるツアーなども企画されています!

ご興味のある方はぜひこちらのページへ!

lampさんの公式Facebookページです!

ツアー詳細も乗ってますよ!

m.facebook.com/yonesakiringo/…

一日、本当にありがとうございました!

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あなたにここにいてほしいひと

TOT WORKS

6日目 縁よ円になれ、輪よ和を生め

こんばんは!TOT WORKSです!

昨晩はまっとさんからご紹介頂いた、清水さんのお宅にお世話になりました!

清水さんは陸前高田や熱海で開催される、音楽野外フェス『TAKATA FESTA』などを企画運営されていて、ここ、陸前高田で起きた悲しみを繰り返さないため、災害の防災の呼びかけなどもされている方です。

その夜はたくさん大切な話を聞かせて頂き、僕もまた自分ごとを聞いて頂きました。

本当に勉強になるお話ばかりで、頭が下がります。

そしてなんと話の流れで、急遽9/30開催の野外フェスに出演させて頂くことに!

さらにそこでコーヒー屋さん『コーヒーショップ トット』もやらせてもらうことに!

こんなことになるなんて、、、夢みたいだ!

寝床まで貸して頂いて、お世話になりっぱなし!

本当にありがとうございます。

ーーーーー

翌日の朝も語り合ってから昼食へ!

海産物の養殖をしていて、ごはんもやっている直売センター

こーんな贅沢ホヤ刺身定食がなんと850円!

さらにさらに!

こーんな大きなホタテも!

これでもMサイズだとか!

美味しすぎてまた気絶するかと思ったー!

美味い海産物はだいたい気絶しそうになる!笑

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昼食後は清水さんと別れ、コーヒーショップをやるにあたっての買い物へ!

イオンで食材系を買ってから、紙コップを買うため清水さんにご紹介頂いたパッケージ屋さんに。

復興事業のひとつ、仮説商店街にある米沢商会さん。

僕が店主の米沢さんに買い物の相談をしている流れで、実は語り部さんであることが判明し、被災時の大切なお話を聞かせて頂くことに。

ネットで『陸前高田 米沢商会』と検索して頂くと出てくるのですが、米沢さんはご家族を亡くされています。

地震が起きたとき、ご両親、弟さんとの4人でお店にいて、米沢さんは倉庫を、ご家族は店内の片付けをし、終わり次第避難所へ移動と約束をしました。

しかしすぐにもう一度大津波の警報が鳴り渡り、米沢さんはお店に急いでもどりました。

約束の避難所ではなく。

すると巨大な津波は街を飲み込んでいき、米沢さんを15メートルのビルの屋上のさらに煙突へ追い詰めました。

座布団一枚ほどの煙突の上に避難した米沢さんの、20cmほど下まで波がきて、幸いにも米沢さんは無事でした。

波が引いていき、更地にされた街を見ながら、とてつもない恐怖を感じたそうです。

米沢さんのご家族は避難所に避難していました。しかしその避難所は、波に破壊されてしまったのです。

数分前まで一緒にいて、約束を守ったご家族は亡くなりました。

米沢さんは、今でもあのとき、なぜ避難所ではなくお店に戻ったのかわからないそうです。

しかし、そうしなければ、僕は米沢さんとお話させて頂くことはありませんでした。

ご無事で本当に良かったです。

遺品も思い出の品も、お店も流されてしまった米沢さんが、この経験を語り継ぐ想いは、もしまた同じようなことが起きたとき、自分の話を聞いていれば、聞いた方の助かる可能性があがるから、とおっしゃっていました。

天災は本当に恐ろしい。

避けがたく、耐えがたく、平然と命を奪い、故郷を破壊していく。

誰かが同じような悲しみを繰り返さないために、という米沢さんの想いは、聞き手が語り継ぐべきものだと思いました。

また陸前高田に来た時には、しっかりと時間を設けてお話伺おうと思います。

米沢さん、大切なお話本当にありがとうございました。

皆さんもぜひ、『陸前高田 米沢商店』と調べてみてください。

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そしてその後、清水さんのご紹介で同じく仮説商店街にある、『SAVE TAKATA』へ。

ここは復興支援を様々な形で行なっていて、ボランティアがしたいと話した僕を連れてきて下さったのでした。

その夜のうちに、農業部門が独立してできたNPO法人lampさんのりんご農園のお手伝いをご紹介頂きました。

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人が人を呼び、縁が円になり、輪が和になるように、たくさんの方とつながっていく毎日。

僕に今、なにができるだろうか。

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あなたにここにいてほしいひと

TOT WORKS

5日目 たっぷり岩手日和

こんばんは!TOT WORKSです!

今日は一日岩手沿岸をshule and chiristmasとまっとさんと観光してました!

仲間と見る景色、仲間と食べるごはん、仲間と話すなんでもないこと、全部きらきらしてたなぁ。

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今朝はみんなより早起きして、全員分のコーヒー淹れておくつもりが寝坊してしまいまして、、、起こされてから慌ててコーヒー淹れました。笑

自分のつくったものが人に喜んでもらえるって、やっぱり幸せですよね。

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そして出発!

スピードの出ない僕の車を気づかって、置いていかないように走ってくれる、まっとさん。

音楽にも暮らしにも、一貫した人柄が現れている人は常にきらきらしています。

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碁石海岸(ごせきかいがん)到着!

ここはパワースポットのようで、みんなでまっとさんに連れてきてもらいました!

松がすごい!

岩がすごい!

波がすごい!

なんて、ボキャブラリーのない感想ですけど、大自然のすごさを痛感しました。

それこそ、写真じゃ表せないくらいの!

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お昼は『碁石海岸レストハウス』にてサンマラーメン!

サンマーメンじゃなく、サンマラーメン!

サンマのみりん干しがドーンと乗っかっていて、そのまま食べても美味しいのに、ほぐれてダシが出てくると、さらに美味くなるという、伝説級のラーメン!

いやほんと、安心して気を失うんじゃないかというくらい、ホッとするダシの美味しさ。

ライスでお茶漬けにすると、さらなる旨味の高みへ登り、召されてしまう怖さを感じるほどでした。

そのあとは『あまちゃん』の大ファン、shule and chiristmasのUKさんたっての希望で、三陸鉄道を見に行きました!

三陸鉄道 盛駅

線路のひとつが津波で流されてしまったんですが、今は代わりにバスが走っています。

生活を続ける、生き抜く力。

駅の中では限定サイダーやタオルなどのグッズなどが買えて、鉄道ファン、あまちゃんファンじゃなくても楽しめます♫

そしてshule And chiristmasは次のライブ、東京へ向かうため、ここでお別れ。

送り出す立場だと、なんだか僕もここが地元みたいな気持ちになります。笑

ーーーーー

それからはまっとさんの家に帰って、2人とも昼寝。

僕は2回昼寝しちゃいましたー笑

今週はずっとお世話になることになりまして、本当にありがとうございます。

あったかすぎるくらいあったかい人。

まっとさんは絵本を出しています。

震災にあったときに感じたものを伝えるための絵本です。

僕はこれを日本中で読んで回ることにしました。

ちゃっかりサインも!笑

それから『世界中が歌えば』というご自身の曲の著作権を放棄して楽譜にし、欲しい人にはあげる活動もしています。

歌も素敵だし、活動も素晴らしいので、僕はこの歌についても応援させて頂こうと思ってます。

どんな曲か気になる方は下のYouTubeから聴いてみてください。

楽譜が欲しい方も、ご本人か僕に言って頂ければ、喜んで対応させて頂きますね。

世界中が歌えば / まっと

ーーーーー

はー、本当に楽しいし、安心するし、会えて良かったと思える人たちばかりだ。

このもらったきらきらを、僕もまた誰かに渡したい。

だからこれからも旅を続ける。

大丈夫、って言葉は簡単に言えないかもしれない。

だからこそ、きっと大丈夫。

みんなありがとう。

あなたにここにいてほしいひと

TOT WORKS

4日目 あー!楽しかった!

こんばんは!TOT WORKSです!

今日は朝も夜もライブでした!

いやー!楽しかった!とにかく楽しかった!

まっとさん、shule and chiristmasのみんな、呼んでくれて本当にありがとう!

昨日は3時寝、今朝は6時起き、寝坊グセのある僕ですがなんとかがんばっておきました!笑

朝からみんなにコーヒーを淹れさせてもらって、香りも味も喜んでもらえて嬉しかったなぁ。

まっとさんのおばあちゃんもコーヒー好きみたいで、喜んでくれてたらいいなぁ。

そのあとはみんなで会場のアバッセたかたへ!

復興している陸前高田最大のショッピングセンター。明るい空気に満ちていて、居るだけに幸せな気持ちになった。

そしてついに10時からライブ開始!

僕は一番手だったので、朝一の気持ちいい空気の中、地域の人たちに向けてライブさせてもらいました。

聴いて頂いた方々、CDを手にとって下さった方々、本当にありがとうございます。

昨日のブログに書いた覚悟があったから緊張したけど、みんな穏やかな顔で見てくれていて、自分らしいライブができたと思います。

本当にありがとうございました。

共演のシュールやまっとさん、それからまっとさんのお母さんが生前やっていたバンド、ひろぼーず。

みんなもちろんすごく良かった。

本当にあったかかった。

お昼にはまっとさん一押しのラーメンを食べに四海楼へ!

激辛大盛り!笑

みんな汗だくで完食してたなぁ。

ちょっと休憩して、今度はお隣の大船渡市にあるキャッセン大船渡へ!

ここに夜の会場、湾岸食堂があるんです!

復興して新しい建物に色んな店舗が入っていて素敵な空間だった。

中庭では子どもたちがキャンプしてたり♫笑

夜も夜ですごかった。

僕もまっとさんもシュールも、昼とは違う表現力を発揮していて、同じ曲も聴いてるのに、違う顔が見れて、本当に楽しかった!

僕ら三組の他に、中村祐美さん、マウントグループさんが出演。

中村祐美さんはポップで素っ頓狂でロックなんだけど、詩の世界が退廃的で、あいまった楽しい狂気の空気がすごく良かった!

とくにトイレを我慢している曲とか、タイトルが『武者震い』なのも含めて最高に笑えた!笑

Mt.GROOVEさんは静岡のアコギとパーカッションのユニット。大人の余裕を感じさせる楽曲と雰囲気。でもその中に温かい人柄が隈なくこもっていて良かった!

とくにMCで他の共演者の物販の宣伝をしたり、まっとさんの書いた絵本『世界中が歌えば』を広げる活動されてる話なんか、ほんと自分の時間をこんなに人に割く出演者なんて見たことない!本当に美しい。

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そしてまっとさんのライブ。

昼は震災について高らかに穏やかに歌い、夜はロック調で希望を高らかに歌い、どちらの姿も胸に刺さった。

この人はもっと多くの人に知られなくちゃいけない。僕もがんばるけど、本当に応援してる。

これからいっしょにやっていけることが、奇跡のように嬉しい。出会ってくれて本当にありがとうございます。

買った絵本にサインもしてもらっちゃったー!宝物だぜ!

最後にシュール。

いやー、相変わらずカッコいい!

そんで楽しくて気持ちいい!

ほんとライブがこんなに楽しいインストバンドめったにいないと思う!

それなのに、楽曲から風景が浮かんでくるところも素晴らしい。

それで実は、、、僕3曲目に語りでセッションさせてもらいましたー

シュールの演奏に乗せて、僕が即興で語る。

半端なく緊張したけど、思ったことをいっしょに表現できてよかった。

お客さんにも響いていたみたいで、みんなすっごい注目してくれてたなぁ。

その映像はどこかで観れるようになると思うので、お楽しみに♫

まぁなにが言いたいのかというと、とにかく色んなことが全部楽しかったってこと!

そしてそれは毎日の積み重ね、人の繋がりによって生まれたってこと!

そういうすべてに感動して止まない一日だったってこと!

それだけ!それだけで充分!

今日に辿り着けて本当によかった。

みんな本当にありがとう!

これからもよろしくお願いします!

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あなたにここにいてほしいひと

TOT WORKS

3日目 立ち上がることを諦めない

こんばんは、TOT WORKSです。

今夜のブログには目を背けたくなるような現実と、それでも向き合いたい現実が書かれています。

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岩手県 陸前高田市。

2011年3月11日に起きた東日本大震災による津波で、多大な被害を受けた街。

僕はこの街でツアーのライブ初日があることに緊張していました。

人の命を肯定したい、そのためのすべて、その当たり前を伝えるために、日本を回る、と銘打って始めた『旅する空席』

その初日が、絶対に傷つき、絶対に悲しみに襲われた人たちの街。

当時の僕は21歳で、自分の現実として迎え入れることができずに、なにを感じ、なにを思い、なにをすればいいのかわからず、結局何もしなかった。

恥ずかしくて情けないと、ずっと思っていた。

それから7年が経ち、僕は旅の初ライブで向き合う機会を頂いた。

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旅を思い立ったとき、まず最初に連絡をしたのがUKさんだった。

10年前からの付き合いで、何度も共演している大阪のインストバンド『shule And chiristmas』のリーダー。

10月より西日本からツアーを始めようとしていた僕に衝撃的な一言をもらう。

『9月末に仲間のシンガーソングライターが陸前高田でイベントをやるから、いっしょに出演しない?』

気を抜いていた僕は胸が締め付けられた。

僕とは久しぶりなのに大切な仲間のイベントに呼んでくれたこと。

それが陸前高田市であること。

そしてツアー初日になること。

それでも僕は即答でお願いした。

待ち合わせ場所は、奇跡の一本松になった。

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そして今日。

待ち合わせに一番乗りした僕は、辺りの風景に衝撃を受ける。

綺麗に復興されているのがわかるほど、建物がなく、そして残った建物は傷ついていた。

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しばらくして、イベント企画者シンガーソングライターの『まっと』さんがやってきて挨拶。

少し会話をしただけで、まっとさんが底抜けに信頼できる人だとわかった。それぐらい好きになった。

ほどなくしてshuleのメンバーも合流。

再会の喜びも束の間に、まずはみんなで奇跡の一本松を見に行った。

あの大津波の中一本だけ残った松の木は、1年生きたのち塩水で枯れてしまったので、今は人工的に残されている。

そこにあるのが作り物でも、残したい人々の想いは本物だ。てっぺんに留まったタカがそう言っていた。

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そして気仙中学校跡地へ。

完全に廃墟と化していたが、落書きはひとつもなく、綺麗なほど当時のままだった。

壁は剥がれ、ドアはひしゃげ、窓は吹き飛び、机と物が散乱し、ありとあらゆるものが壊れていた。

地面にノートを見つける。

この持ち主は今も無事だろうか、どこかで誰か笑えてるだろうか、なんて思う隙もなく、僕はただ泣いていた。

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それからみんなとバーベキューに。

この現実を胸に刻みながらも、ちゃんと今この時間を楽しもうとしている。

本当に素晴らしいと思った。

生きていると思った。

買い出しをして、まっとさんの自宅にお邪魔し、準備を終えるとバーベキューが始まった。

お酒を飲んで、美味しいものを食べて、音楽を鳴らす。

ただただ楽しくて、だからこそ本当に尊くて、涙が出そうになりながら、それでも心から笑って遊んだ。

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僕とshuleは5年ぶりの再会。

僕とまっとさんは初めまして。

悲しみを忘れない記念碑で待ち合わせ。

時間が止まり崩れかけた建物を歩く。

楽しく音楽を鳴らす。

それが今日の出来事。

文字にしたらこれだけのことなのに、どうしてこれを書いている今も、僕の胸はずっと締め付けられているのだろう。

人と人は繋がるのをやめない。

僕たちは立ち上がることを諦めない。

ただ続いていく、つまらなくてくだらなくて、誰のためにもならないような一日一日が、そのすべての一瞬が、間違いなく何ものにも代え難い価値あるものだ。

どれだけ向き合ってもわからない痛み、どれだけ受け止めてもこぼれていく感情、そのすべてが僕に何度もそれを教えてくれる。

僕は明日のライブに緊張している。

音楽の表現者として、この想いをどれだけ表現できるのか、ここ一番自分との大勝負。

ただ、日々のすべてを精一杯生きる。

ただ、この旅の物語を精一杯伝える。

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あなたにここにいてほしいひと

TOT WORKS

2日目 TOT名物ピンチ祭り

こんばんは!TOT WORKSです!

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時は夕方、宮城県の道の駅を目指して、Googleマップさんの言う通りひた走るTOT号。

空はどんどん暗くなっていき、さっきまで『のどかだな〜』ぐらいで呑気に走っていた道たちは、暗闇に飲み込まれていく。

あるじの時間を取らせまいと、一生懸命攻めた道案内をしてくれるGoogleマップさん。

しかし、慣れない長距離運転の疲れからくる頭痛に悩まされていたTOTには、さして気にならないことだった。

そう、地獄の門が開いていることに気づかないほどに、、、

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19時を回った頃、あることに気がつく。

ガソリンの残量少量ランプがついているのだ。

知らない道を走ることに集中していたために気づかなかったのだが、おそらく点灯してからだいぶ経っているのだろう。

なにせ、メーターが空っぽゾーン寸前だ。

よし、ガソリンスタンドを、、、しかし時すでに遅し。

あたりは完全に沈黙の暗闇。

民家どころか、車どころか、電灯の一本もない。

そう、GoogleマップさんはTOTを深い山道へ連れ込んだのだ。

記憶を辿ってもスタンドはなかったので戻ることも出来ず、しかし進めば山の中でクルマが止まる可能性も、、、

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焦った、TOTは焦った。

海に落ちてサメに囲まれても落ち着いてそう、とまで言われたTOTも、これには焦った。

そして、より最悪のことに気づいてしまったのだ。

そう、TOTはお化けがめちゃくちゃ怖い。

見たことないし、ホラー映画見るくせに、リアルではめちゃくちゃ怖がりなのである。

さらに追い込まれるように、燃費が悪くなる山道により、あっという間にガソリンメーターは空っぽゾーンに振り切れる。

さらにさらに、水が尽きて頭痛も激しくなる。

さらにさらにさらに、雨は激しくなり、霧で包まれる山道。

激しくなる頭痛、尽きていくガソリン、目を離せない山道、悪すぎる視界、迫り来るお化けの群れ(見えない)

万事休す!TOT WORKS!

みんなの居場所を肯定する旅の2日目にして、お前がいなくなってどうする!

追い込まれたTOTが閃いたのは、普段のお上品な自分なら鼻で笑ってしまうような作戦だった。

そう!お下品なことを!全力で叫ぶ!

これしかなかった。

悔しいけれど、これしか手がなかったのだ。

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そこから1時間、明るい音楽を爆音で流しながら、限りなく思考が停止するお下品なことを選び、叫んだ。

ライブでも枯れない喉を枯らすほどに。

そしてたどり着いた街には、薬局もガソリンスタンドもあった。

見つけたときのTOTの高笑いは語るまでもないだろう。

名案が明暗をわけたのか、今夜もなんとかピンチを乗り切り、事故も怪我もなかったTOT。

やはり喜劇がお似合いである。

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被害者は誰かといえば、1時間もお下品な言葉をやまびこさせられた、山神様ではなかろうか。すまぬ。そなたは美しい。

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あなたにここにいてほしいひと

TOT WORKS